こんばんは。
かざねっこです。
我が家では
今日までが夏休み。
上の子はようやく
体調が回復し
真ん中の子は
ずる休み。
多分、夏休みの後半から
上の子や末っ子が
ばたばたと体調を崩して
病院通い等が続き
落ち着かなかったのだと思う。
夏休みが明けても
「もう少し家にいたい」と言い張り
ようやく皆が落ち着いてきた
今日のお昼下がりに突然
「明日から行く!」と言い出した。
真ん中の子の中で
一区切りがついたのだろう。
私もそろそろ気持ちを切り替えて
夏休みとはまた違う
慌ただしい毎日へ
飛び込んでゆかねばな、と思う。
さてさて。
前置きが長くなりました。
本日の題名は「誕生日を迎えて」です。
ごゆるりとお付き合いいただけると
嬉しいです。
もうあと数年で
四十になる。
ただ、あと何年で
そうなるのか
すぐには分からない。
もう、それこそ
十代の頃くらいに
自分の正確な年齢を
手放している。
というのも
子供の頃から
私の年齢を
まともに当てられる人が
いなかったのだ。
背が小さく
童顔だからだろうか。
大体、三学年くらい下に
みられてしまう。
それは
同学年の子が側にいても
である。
そのおかげで
例えば中学の頃は
駅員さんに
「切符を下さい」
と言えば必ず
子供の切符を渡されたし
友人とプールへ行ったら
その友人が学年で
一番背が高かった
というのも相俟ってか
親子と間違われた。
さらに、部活の後輩には
初対面のとき
同じ新入部員だと勘違いされ
後から深々と謝罪された。
もちろん、同級生からは
安定の妹的扱い。
(もしくは小動物的な?)
まぁ、そんな待遇が
延々と続いていたから
正直、自分の年齢がどうだとか
気にならなくなってしまった。
ただ、時折
自分の正確な年齢が
必要となる時がある。
なので、
そのとき用に、と一応
周りにいる誰かと
何歳違うのか
だけは覚えている。
これならば
覚える数字はずっと
変わらない。
と、今までは
それでやり過ごして
きたのだけれど。
ある日
自分の誕生日が
もうすぐだ、と気づいた。
それで、主人に
「もうすぐ、私、誕生日だ!」
と言った。
すると、主人は別に
驚くわけでもなく
「そうだよ」と言い
さらに
「俺、最近、自分の歳がいくつか
分からないんだよね」
と言った。
それは、私にとっては
由々しき事態で
私は大抵、自分の歳が知りたい時
主人に尋ねる。
それで、
じゃあ、今、私たちは
一体、何歳なのか
ということになり
私は、なけなしの記憶から
必死に自分の年齢を
思い出さなければならなくなった。
「多分、私は3○だから、貴方は・・・」
そう主人に言いながら
もうあと少しで
私は40になるのか、と思う。
40という数字に
深い意味は無いけれど
10年を一区切りとして
考えたときに
自分は30代をまるっと
育児に費やしてきたのだな、と思う。
それは充実感というよりも、むしろ
育児だけで終わってしまうという
焦りにも似た感情があって
ならば、他に何かすればよかったのか
と考えてみても
そういう余裕はまるでなかったし
これが私の精一杯だった。
だから、40という歳を意識する度
なんとも、複雑な心地になる。
と、こんなことを思いながら
主人と歳の話をしていたら
「ママ達、なにを話してるの?」
と真ん中の子が会話に入ってきた。
そこで、ふと
良いことを思い出す。
そういえば、主人と真ん中の子は
ちょうど切りの良い歳の差だった。
「ねえ、あなた今、何歳?」と聞くと
真ん中の子は、すかさず
「○歳!!」と答え
そこから計算して
気づく。
あれ、一つ歳が下がったぞ。
「ゴメン。一つ下だった」
そう主人に伝えながら
なんだか、
四十までの道のりが
急にひとつ遠ざかって
さっきまでの
焦燥感みたいなのも
少し薄まって
これはこれで
微妙な心地になる。
なので、まあ
できるかどうか
分からないけれど
とりあえず、一年分
時間はあるみたいだから
今からでも足掻けるなら
足掻いてみようか、と
ちょっとポジティブに
考えてみることにする。
それから
真ん中の子に
「ママは何歳なの?」
と聞かれた。
「何歳だと思う~?」
と質問で返したら
「二十○歳!」
と言われた。
あぁ、子供ってまだ
歳の感覚が分からないからね
と主人と話しつつ
「じゃあ、パパは?」
と聞いたら
「四十○歳・・・くらいかな」と。
それは、あながち
間違いでもなく
思わず、にやついたら
主人から「仕込んでますな」と
物言いがついた。
ふふふ。
それは、断じて
無いのだよ。
それから、
「結局、ママって何歳なの~?」
と再度聞かれ
「二十○歳よ~」
と真ん中の子が言った歳を
そのまま返したら
「やっぱり、そうなんだ」
と言った後
何かを思い出したよう。
「そうだ!夏休みの日記に
『ママの誕生日がきて
二十○歳になりました』
って書かなきゃ」
ぐぇ!!
「えっ・・・。ちょっと、待って。
それ、また、先生のネタになるやつ!!」
慌てて、書くのを
阻止しようとする私の横で
ニヤニヤする主人。
そんなこんなで
その場はなんとか
収まって
さてさて
肝心の誕生日プレゼントは
となる。
今年は忙しくて
主人のプレゼントを
用意できなかったし
なので、「もらうのは申し訳ない」
と言ったら、
「別にそれは構わない」と言われる。
それで、欲しいものを
考えてみたのだけれど
思いつかない。
「じゃあ、金一封?」
と言われ、それもちょっと味気なく
うーんと悩んで思いつく。
「ラブレター!!」
「金一封ね!」
即座に、却下された。
お互い、お金がかからないし
いい案だと思うのだけれど。
ちなみに、私は主人の誕生日に
手紙まではかけなかったので
メールでだけれど
送らせてもらっている。
そのまま、しばらく
食い下がってみたけれど
「絶対に嫌だ」と言う。
主人は筆不精で
文章を書くのが苦手だから
ハードルが高いようだ。
結局、そのあとも
話は平行線で
うやむやのまま
終わってしまった。
そして、迎えた私の誕生日。
子供が生まれてからは特に
おなざりになっていて
なにするわけでもないのだけれど
今年はまあ、
子供達の体調のことで
色々ありまして
沈んだ気持ちで
迎えたのですが・・・。
「おめでとう」と
主人から金一封。
「ありがとう」と受け取って
ちらりと裏を見たら
封筒の隅っこに
メッセージが
書いてあった。
主人の性格そのままの
ちょっと硬めで
少し他人行儀な、文体。
嬉しくって
「お手紙箱に大事にしまっておかないと!」
と言ったら
「そんな文章に、大袈裟な・・・。
中身の方が大事でしょ」
と、呆れられてしまったけれど。
確かに
あなたのいう、そんな文章で
お腹が満たされることは
ないかもね。
でも、たった、それだけの文章が
いつかの心の隙間を
埋めてくれることはあるんだよ
と思う。
それが、いつかは
分からないけれど。
でも、いつか
私は、また
この文章を読むと思う。
そして、きっと
大変だった夏休みのことを思い出し
それから、
あいかわらず
貴方の文体は硬いわねって
笑うのだと思う。
最後までお付き合いいただき
ありがとうございました。