どんぴっしゃで土砂降り

おはようございます。

かざねっこです。

本日の題名は『どんぴしゃで土砂降り』です。

ごゆるりとお付き合いいただければ嬉しいです。

 

最近、暑くて敵わない。

子供を送るときに一回

朝食を食べ終えてから一回

散歩するというのが

最近の日課なのだけれど

ここまで暑いと

なかなか行く気になれず

どうしたものかなと悩んでいる間に

お昼近くになってしまう。

それじゃあ、先にお昼ご飯にしようか

とはならないのが我が家。

空気を読まない末っ子が

外へでかける準備を始める。

仕方ないから、その日も外へ。

ベビーカーに乗せて

公園まで行く気にもなれず

近所を二人でぶらぶら歩く。

しばらく歩くと

工事中の現場を見つける。

最近、車にはまっている我が子。

どんな車を見ても

『シューシューシャ』と言う。

パトカーでも救急車でもない。

シューシューシャ。

なかなか、レアな名前を

最初に覚えてしまったらしい。

立ち入り禁止の赤いコーンが立っている

そのすぐ後ろに大きなトラックが止まっていて

さらに、その後ろでショベルカーが稼働中。

パアッと顔を輝かせる我が子。

「シューシューシャ」

と言いながら

赤いコーンをすり抜けて

入っていこうとする。

何度連れ戻しても、無理。

次第に泣き出す始末。

仕方ないから

ショベルカーを近くで見られるよう

反対側へ行くことにする。

ただ、そのためには

一本隣の道を歩かねばならず

その現場から離されると勘違いした我が子は

道路に座り込んで大泣き。

暴れる末っ子を抱き抱え

必死に説明を交えながら

向こう側の道に出る。

暑さが余計に増してゆく。

ついた頃にはお互い、汗びっしょり。

工事看板の立つ横に

末っ子を下ろす。

末っ子はじいっと

ショベルカーが動くのを見ている。

ただ、それだけでは段々

満足いかなくなったのだろう。

工事看板の先へ行こうとする。

困ったな・・・。

と思っていたら

工事現場の人がこちらに近づいてきた。

「ハロー!!」

外国の方だった。

「車好きなの?」

とかなんとか。

話しかけてくださる。

おかげで、末っ子の人見知り発症。

私にしがみついたまま

離れなくなった。

せっかく話しかけてくださったのに

すみません・・・。

工事現場の方が離れていくと

私から離れ、また

ショベルカーをじっと見つめる末っ子。

ただし、今度はそれ以上

前へは行かない。

どうやら、前に出ると

人がやって来ると思ったらしい。

しばらく見ていると

風が吹いてきた。

空を見上げると

もともと曇ってはいたけれど

今は雲が真っ黒だ。

なんだか嫌な感じがする。

「そろそろ、帰ろうか」

立ち上がって末っ子の手を引く。

すこし歩いたところで

風が強くびゅんっと吹いた。

工事現場の看板が

バンッと大きな音を立てて

私たちがさっき座っていた場所に倒れる。

間一髪。

風がどんどん強くなってくる。

末っ子を抱えて歩く。

ぱらぱらと雨が降ってくる。

通り雨か。

早めに帰りたいけれど

末っ子を抱えてとなると

なかなか先に進めない。

そのうちに雨脚が強くなってくる。

ただ、私はこのとき

これくらいなら、まだ

大丈夫だと思っていた。

今までもこんなことは

何度も経験している。

けれど、どんどん強くなってくる。

段々、あれっと思ってくる。

雨粒の大きさも

どんどん大きくなっていくのだ。

それも、尋常じゃないくらい。

まさか、みぞれ?

肌に当たる感覚を確かめる。

生暖かく柔らかい。

雨だと確認して

少しだけ、ほっとする。

みぞれなら末っ子が怪我をするかもしれない。

ザザザザザザザザッ

おとなの私でさえ

うっすら恐怖を覚えるほどの

あまりに激しい雨音に

末っ子が泣き出す。

少しでも早く走りたいけれど

シャワーを全開にしたって

この水量には到底及ばない

まるでバケツをひっくり返したような

激しい雨がひたすら降り続いて

視界は見えづらいし

上から降ってくる雨の

その圧力みたいなものに加えて

末っ子と私二人分の

靴やら服やら全身で吸い込んだ水の重さ。

家までの距離はさほどないはずなのに

一向にたどり着かない。

その間にも、

どんどん重みは増していく。

なんだ、この状況?

周りには誰もいない。

そりゃそうだ。

こんなにひどい雨だもの。

それなのに私は

子供を抱えてとろとろと歩いている。

だって、こんな雨に降られるなんて

ゆめにも思わないじゃない?

なんて、間が悪い!

そんなことを考えていたら

末っ子には本当に申し訳ないのだけれど

段々、自分の置かれているこの状況が

可笑しくなってきて

ついには笑い出してしまった。

誰も外には出ようとは思わないような大雨の中

泣いている子を肩に担ぎ

笑いながら歩く私。

酔狂にもほどがある。

近所の方々に見られていないといいのだけれど。

 

家に着いてすぐ

自分の服を全部脱いだ。

服を着たままだと

水が滴ってくる。

それから、すぐ

子供の服を脱がせて

体をタオルで拭いて

服を着せて。

子供ファースト。

それから、自分の服を着る。

置いた場所がたちまち

水溜まりになるくらい

水を吸い込んだ靴を乾かして

外に少しだけ残っていた洗濯物を

急いで取り込もうと窓を開けたら

もう、すっかり雨は止んでいて

なんなら空が少し明るくなっていて

狐につままれたような気分になった。

一連の作業をやり終えたら

急にどっと疲れが出てきて

床にごろんと寝そべりたくなった。

「○△□○□△!!!!」

あぁ、なんか呼ばれてる・・・・。

「はい、はい」

返事しつつも、足が動かない。

床をじっと見つめる。

「○△□○□△!!!!」

はい、はい。

あまりにも離れがたいから

心だけ、ころんと床に転がして

癇癪を起こしつつある

末っ子のもとへ急いでゆく。

 

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お散歩の時間だけでも

雨が止んで欲しいと思っていたけれど

反対の展開は全くもって望んでいない。

 

 

最後までお付き合いいただき、

ありがとうございました。