鶏モモ肉のパックから垣間見えたパパの葛藤

おはようございます。

かざねっこです。

本日の題名は

あ『鶏モモ肉のパックから垣間見えたパパの葛藤』です。

ごゆるりとお付き合いいただけると、嬉しいです。

 

朝、冷蔵庫を開けたら

『国内鶏 ふりそで』と表記された

お肉のパックが入っていた。

私は今まで

鶏肉の『ふりそで』という部位を

調理したことはない。

ただ、その肉を見た瞬間

おもいっきりカリッと焼き上げて

塩とレモン汁を振りかけた画が

頭の中に浮かび上がった。

時々、料理をしていると

こういうことがある。

そして、大抵、そういうときはうまくいく。

 

フライパンに軽く油を引き

『ふりそで』をやや強火で焼く。

思っていたよりも、油がじわじわと染み出してくる。

皮も段々いい感じに色づいてきて

まだ寝ぼけ眼の私のテンションも

比例して上がっていく。

ジュージューと油の跳ねる音を聞きながら

ふと先日の鶏肉のことを思い出した。

ちょっとした取り留めもない話、だ。

 

ことの発端は

いつもと同じように

私が朝、冷蔵庫を開けたことから始まる。

 

家族がまだぐっすりと眠っている

早朝4時50分。

私はいつものように起床し

まだ起ききっていない

ぼんやりとした頭でキッチンに入る。

そして、ご飯の準備をしようと冷蔵庫を開けた。

扉を開けて、真っ先に目に飛び込んできたのは

大きなお肉のパック。

何のお肉か確認したら、牛肉薄切り。

もちろん、お値段もなかなかのもの。

しかも、値引き無し!

あれ?

今日、なにかありましたっけ?

家族の誕生日やらなんやら

頭の中の記憶を総動員して考えたけれど

全く心当たりがない。

ただ、迷っている時間はない。

朝の一分一秒、本当に大事!

頭を切り替えて、料理をすることに集中する。

さて、なにを作ろうか。

野菜室をごそごそと探り、牛蒡を見つける。

よし、牛肉の牛蒡巻きを作ろう。

早速、調理に取りかかる。

 

主人が起きてきたのを見計らって尋ねる。

「なかなかいいお値段の牛肉が買ってあったのは

なぜだろう」

主人はまだ寝起き。

低い声で「ああ」と答えて、それから

「昨日、買い物にいったら、次の日が棚卸しで休みだったんだ。

そのせいか、肉がほとんど売ってなかった」

それで、わずかに残っていたのが2つ。

牛肉と鶏肉。

「いや、そこは迷わず鶏肉でしょ」

主人の選択に、思わず、突っ込んでしまう。

「うん、そうだね。ちょっと疲れていたかも」

確かに、主人は4月からずっと仕事が忙しそう。

それでも、仕事帰りに必ず

買い物へ行ってきてくれる。

だから、「まあ、たまにはいいよね」

と思うことにした。

 

そして、とある休日。

お昼にラーメンを作ろうとした。

以前、子供がラーメンを食べたいと言ったから

買っておいたものの

戸棚の1番上に置いていたせいで

その存在をすっかり忘れていた。

とりあえず、ラーメンの上にのっける

野菜炒めを作ろうとした。

野菜室から人参やキャベツ等を取りだし

チルド室から鶏肉を取り出して・・・

「はぅっ!?」

思わず、変な声が出た。

信じられなくて、何度も鶏肉のパックを見直す。

鶏モモ肉が一つ入ったパック。

大きく『赤鶏』と書かれた文字。

そのお値段 800円超え!!

もちろん、値引きシール無し。

あれ?

これ下手したら、

牛肉のパック買えちゃわない?

どうした、この値段?

そこで、先日の会話を思い出す。

確かに、私は、迷ったら

「鶏肉を買ってきて」と言った。

でも、これはちょっと違うのではないか・・・

 

ただ、思うに、主人は

この時も、相当疲れていたのだろうなと思った。

その週は子供達が次々に

体調を崩していった日だった。

だから、多分、値段も見ずに私に言われた通り

『鶏肉』を買ってきてしまったのだろう、と。

 

あまりにもいいお値段のお肉なので

急遽、そのお肉単体でいただけるメニューに変更した。

一口大に切った鶏肉に

塩麹とお味噌と味醂を揉み込んで

油を引いたフライパンで焼く。

焼きながら、ふと

せっかく、素材の味を楽しむなら

ダイレクトに塩味にした方がよかったのでは

と、少し後悔した。

 

焼き上がった鶏肉を一つ食べてみた。

私はどちらかというと

鶏肉があまり得意ではない。

なにが、と言われると難しい。

多分、歯ごたえとかちょっとした臭みとか

皮のちょっとぎとつく感じとか、もろもろ。

明確に、ここが苦手!!というものはないのだけれど

あまり量が食べられない。

ただ、その鶏肉はおいしかった。

お肉に弾力があって、臭みもなくて

なんなら皮まで美味しく頂けてしまった。

それは、子供たちも同様だった。

「このお肉、美味しい、美味しい」と言って

ぱくぱく食べていった。

その様子を複雑そうな顔で見ていた主人。

「モノには値段があるんだな・・・」

と呟いて、その後も

「でも、この値段をずっと出すのは・・・」

とかなんとか、ぶつぶつと言いはじめた。

 

いや、待って。

今、どんどん食材が値上がりしてるんだよ。

継続可能な家計でいこうよ。

なにやら悩み始めた主人の横で

説得を試みる私。

果たして、私の言葉は

どこまで主人の耳に届いたのだろう。

 

その後の、とある日。

冷蔵庫の扉を開けたら

鶏肉のパックが置いてあった。

いつもの鶏肉ではなく

お名前のある鶏さん。

そのお値段、400円弱。

いつもの鶏さんよりも

ちょっといいお値段。

なんだか、そのパックを眺めていたら

主人がスーパーの鶏肉コーナーで

棚に並べられたパックの値段を見比べながら

色々と頭を悩ませていたであろう姿が思い浮かんできて

思わず、笑ってしまった。

 

ちょっと不器用で

子供たちが大好きで

子供たちの喜ぶ顔が見たくて

毎日、一生懸命頑張ってくれているパパ。

いつも、本当にありがとう(^人^)

若鶏のふりそでを焼きながら



 

最後までお付き合いいただき

ありがとうございました。