その白さに惹かれる

おはようございます。

かざねっこです。

本日の題名は「その白さに惹かれる」です。

ごゆるりとお付き合いいただけると嬉しいです。

 

今年の春。

子供と散歩していたら

白いタンポポを見つけた。

最初は、タンポポ?の

疑問符付きだった。

花はいろいろな種類があるから。

この花は、まだ

私の知らない花なのかもしれない、と思った。

だから、立ち止まってじっくりと観察してみた。

葉も茎も花も。

どれをとっても、まさにタンポポそのものだった。

なんなら、近くに黄色いタンポポが咲いていたし。

でも、どうにも、それがまだ

タンポポである」という確信がもてなかった。

そこで、その花の周りを歩いてみることにした。

すると、少し離れたところに同じ花が咲いていた。

今度は綿毛の付いたものもある。

あぁ、これはタンポポだ。

私は、そこでようやく納得する。

どうやら、私にとって

『綿毛=タンポポ』らしい。

 

それにしても、と

目の前に咲くタンポポ

改めて見て思う。

ただ、色が白いだけで

こんなにも花の印象が変わるのか、と。

白いといっても、芯の部分は黄色だ。

ただ、その周りを白い花弁が

ぐるり囲っているだけなのに。

 

よく道端のあちらこちらで咲いている

黄色のタンポポ

なんだか愛嬌があって

可愛らしいなと思う。

でも、この白いタンポポ

可愛らしさとはまた違う

少し近づきがたいような

凛とした佇まいがあって

私はそれを美しいと思う。

多分、私はこの花を

好ましい、とさえ思っている。

それは今までのタンポポには抱いたことのない

新たな感情だった。

 

普段、あまり写真を撮ることは

しないのだけれど

せっかくだから、撮ってみた。

だけれど、悲しいかな、この間

恐ろしいことが発覚した。

末っ子がいつのまにか

データをすべて消してしまっていたのだ。

まあ、子育てしているなら

よくある話なのかなと思いつつも

写真に収める機会が

また来年というのが悲しい・・・。

 

梅雨に入って

紫陽花の花を見かける機会が増えた。

私の実家の庭にも確か

紫陽花が植わっているはずだ。

ピンク色の紫陽花。

私は子供のころ

青色が好きだったから

いつも、青色の紫陽花の咲く家を

羨ましいと思っていた。

 

最近、子供と散歩しているとよく

白い紫陽花を見かけるようになった。

一塊一塊が、なかなかに立派な大きさなので

子供につい、冗談で

「あなたの頭より大きいわね」

などと言ってしまう。

 

ジューンブライド

この季節だからだろうか。

白い紫陽花を目にすると真っ先に

ウエディングブーケが頭の中に浮かんでくる。

紫陽花の花言葉には『移り気』や『浮気』

という意味がある。

でも、『白色』の紫陽花の花言葉は『一途な愛情』

紫陽花は本来、土壌の酸性度によって

青やピンクに色が変わるけれど

真っ白な紫陽花は土壌の影響を受けずに白く咲くそう。

どんよりとした天気が続いて

なんとなく浮かない私の心に

うっすらと緑がかった

白い紫陽花の清らかさは

一陣の涼風をもたらしてくれる。

 

この頃、もう夏がきたのではないのかと

錯覚するときがある。

我が家の近所の畑ではもう、

夏野菜が見事になっていて

その近くを子供と一緒に通りがかるたびに

「これはトマト、これはナス」

なんどと、なんの野菜かを当てるクイズをしている。

そこの畑のすみには毎年

一列に向日葵が植わっていて

夏になるとそれは見事に

大輪の花を咲かせているのだけれど

今年はもう、ちらほらと咲いている・・・。

暑い夏に咲く向日葵でさえ

勘違いしてしまうほどの、この暑さ。

今年の夏は一体どこまで気温が上がるのか。

ドキドキしてしまう。

そのような中でも向日葵は

容赦なく照り付けてくる太陽に向かって

凛と立つ。

まるで、真昼間の太陽の日差しを

映しとったかのような黄色と

その勇ましい立ち姿に

いつも元気をもらっている。

 

そんなある日

いつもと異なる散歩道を歩いていたら

白い向日葵を見つけた。

最初は気付かず通りすぎ

おやっと思って引き換えし

よくよく見たら向日葵だった。

「ねえねえ、これ、白い向日葵だよ」

立ち止まって、子供に教えたら

初めて目にしたからなのか

駆け寄ってきて興奮気味に

「本当だ!本当だ!」と騒いだ。

真ん中部分は黄色

花弁は真っ白

物珍しいとは思うものの

不思議と今までのようには心惹かれない。

一体、なぜだろう。

 

それは多分、求めているものの違いだ。

私が向日葵に求めているのは

気品ある美しさとか清らかさではなくて

あふれんばかりの生命力を感じさせるような

エネルギッシュな力強さなのだ。

その観点から両者を見ると

私の心は『白色』よりも『黄色』に傾いてしまう。

だから、もし、その向日葵の花弁が

白ではなく

まるで燃えるような

深い深いブラッドオレンジのような色であったなら

私の心は一瞬で奪われていただろうと思う。

 

こうやって書いてみると

白であれば何でも好ましい

というわけではないらしい。

ただ、外に出ると

なせだか白色に心惹かれる。

 

白色には『白紙に戻す』

という言葉があるように

「リセット」という意味合いもあるらしい。

 

今一度、真っ新な目で

自身に関わるものたちを見つめ直す

そのような時期(とき)が

来たのかもしれない。

 

 

最後までお付き合いいただき

ありがとうございました。