思わず、天井を仰いだ夜

おはようございます。

かざねっこです。

本日の題名は『思わず、天井を仰いだ夜』です。

ごゆるりとお付き合いいただけたら、嬉しいです。

 

上の子が体調を崩してから数日後。

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末っ子が熱を出した。

あまりにも久しぶりのことだったから、焦る。

もともと、というか産まれてからこのかた

上の子たちがちょこちょこと体調を崩そうとも

うつることが、ほとんどなかった。

改めて考えると

今までが本当にラッキーだったのだ。

でも、だからかもしれない。

小さな子の看病が大変だということを

私はすっかり忘れていた。

 

熱が出てから数日。

さいわいにも熱は一日で下がった。

ホッと安堵というところ。

でも、それからというもの

一日中ぐずっている。

 

ああ、いつもは本当に

機嫌のいい子だったのだ

と改めて思う。

元気がよかったときは

いつも何かしらメロディーを口ずさんでいた。

それは、上の子たちが見ている

アニメの主題歌だったり

はたまた誰が教えたのか謎だけれど

「あ、い、う、え、お、か、き、く・・・」

の五十音だったり。

会話というほどの会話は、まだしない。

ただ、本当に小さな頃から

音楽が大好きなようで

音楽をかけるとじっと耳を澄ませ

いつのまにかメロディーを覚えてしまう。

それがここ数日の間

全くなくなってしまったのだ。

狭い部屋の中で一日中響き渡るのは

末っ子の泣き声!!

 

最近は、お気に入りの絵本を

ぺらぺらとめくっていたり

おもちゃを動かして遊んだり

一人で遊ぶことも増えてきたのに

今や、ママにべったり。

おかげで、一向に家事が進まない。

しかも、体が怠くて眠いのだろう。

にもかかわらず、うまく眠れないから

その不満を容赦なく

全部、私にぶつけてくる。

さらに、母乳を飲めば眠れると

勘違いをしたようで、昼夜問わず

とにかく「飲ませろ」と要求する。

でも、飲んでみても眠れないから

さらに不機嫌になる。

そして、また飲もうとする。

その繰り返しがendless。

だんだん胸が痛くなってきて

なんとか他の手段で眠らせようと試みる。

部屋の隅っこに追いやられていた

抱っこ紐を引っ張り出してきて装着。

抱っこしたり、おんぶしたり。

もう、10キロをゆうに超えている我が子。

段々、持ち上げるのが億劫になってきて

最近はなるべく抱っことかを避けていたからか。

もう、お目目ぱっちりで

久々に見える高いところからの景色を

楽しんでいらっしゃる。

いや、君を寝かせるために

ママ、体張っているんだよ。

お願いだから寝てくれる?

 

寝る気配が全くしないから

床に下ろすことにする。

勿論、ぎゃん泣き

お乳をくれと要求。

どうしようと考える。

咳とか鼻水はないけれど

今までの経験&現在の様子を見ていると

多分、喉の奥に痰が絡んでいるのだろうなと推測。

そこで、病院から頂いていた

薬を飲ませてみることに。

ただ、小さな子に薬を飲ませるのは

これまた、なかなか至難の業で・・・。

 

薬の用意をしながら

初めて上の子に薬を飲ませた時のことを思い出す。

あの時、頂いたのは確か

水薬&スポイト。

スポイトで適量の水薬を吸い上げて

子供の口の中に入れてくださいと言われた。

なるほど、そんなふうに飲ませればいいのね

と納得し、食後に早速やってみた。

スポイトで水薬を吸い上げて

えいやっとばかりに

子供の口の中へと押し出す。

ガバッ。

すぐさま同等の勢いで

口の中から戻ってきた水薬。

咄嗟のことに反応できず

私の服は薬まみれ。

まあ、そうだよね、と思いつつ

さて、どうしようかと考える。

 

それから、どうやって飲ませていたのか

全く記憶がない。

ただ、一度、スポイトで口の中へ

ゆっくりと水薬を入れてみたことはあって

でも、ゆっくりと口の中から漏れてきたことは覚えている。

 

今回頂いたのは粉薬。

前はほとんど味を感じないくらい

水で薄めて飲ませたような気がする。

今回もそれでいけるだろうか。

少し味見しつつ

味を感じないくらいまで薄めてみる。

そして、出来上がったものをみて

「これは・・・」と苦笑する。

飲ませる量があまりにも多すぎるのだ。

考えてみれば、当然だ。

前回に比べ、体が大きくなっている分

薬の量も多くなっているわけで

その分、薄める水の量も増える。

 

こんなにも、飲めるかしら・・・。

不安しかない。

でも、やるしかない。

 

予想通り、飲まない。

2、3口で全力拒否。

「絶対、母乳飲むよりも眠れるから」

とか、なんとか。

言ってみたところで通用するわけもなく。

でも、こっちもそう簡単には引けないわけで。

互いに汗だくになりながら

とにかく、飲ませられるだけ飲ませる。

そして、その後

泣きつかれたのか。

それとも、薬が効いたのか。

久しぶりにお昼寝をした。

 

お昼ご飯後もこんな感じで薬を飲ませ

お昼寝。

 

そして、夜。

薬を飲ませることに疲れた私は主人に

「薬を末っ子に飲ませる手伝いをしてほしい」

と、お願いした。

水で薄める方法は

飲ませるのにあまりにも時間がかかるから

薬を少量の水で練って団子状にしたものを

上あごに付けてみるという方法を試すことにする。

ただ、この『少量の水で練る』

というのがなかなか難しい。

すこしでも水を多く入れてしまうと

すぐにどろどろの液体になってしまうのだ。

慎重に水を少量ずつ垂らしながら

粉薬の固まりを作る。

そして、「はいっ」と主人に手渡すと

主人は私が気づいたときにはもう

末っ子の口の中へ薬を入れて

水を飲ませているところだった。

「すごい!すごい!」

あまりの手際のよさに

手を叩いて感心したのも、つかの間。

ゴホッ!ゴボッ!グェッ!!

次の瞬間

薬&今日の夜に食べたであろうものたちが

床一面に広がっていた。

「あぁ」

夫婦揃って、思わず溜め息。

末っ子の服のお着替えに床掃除・・・。

やることがどんどん増えていく。

 

次の夜。

二人がかりで薬を飲ませる。

主人が末っ子を抱っこして

薬を口に入れた後

私がスプーンで末っ子の口の中に

ゆっくり水を流し込んでいく。

末っ子は嫌々ながらも

なんとか飲み込んで行く。

「この角度!この角度だよ!」

末っ子の身体を少し傾けさせ

主人が興奮気味に言う。

そんな主人に聞いてみる。

「こうやって、二人がかりなら

なんとか飲ませられるけれど

私ひとりの時はどうすればいいのかな?」

「・・・夜はなんとか飲ませられる」

この人、逃げたな、と思う。

でも、薬のおかげか。

だいぶ眠れるようになったので

もう後、2、3日で回復するだろうな、と思う。

今回は上の子から始まり

末っ子にうつり

久々にハラハラしたけれど

なんとなく先が見えてきた気がして、ホッとする。

まあ、それまで

私の体力が持つかどうかは

また、別の話だけれど。

そんなことを考えていたら

コホッ。コホッ。

背中から不穏な音が聞こえてくる。

振り向くと、真ん中の子が気まずそうな顔で

こちらを見ている。

もしかして?

いや、まさか・・・だよね?

「なんか、さっきから咳が出てくるんだよね」

・・・ハハッ

そうだよね。

みんなにうつってるもんね。

仕方ないよね・・・

うん・・・うん・・・

 

でも、さぁ

でも、さぁ・・・。

このやり場のない気持ちを

どうすればいいのか分からなくて

思わず、天井を仰いだ夜。

 

最後までお付き合いいただき

ありがとうございます。